ひだまりの園舎と保育 みんなの保育日記*大工の大介くんの巻
皆さんこんにちは。
いつもひだまり保育園さんの改修工事をさせて頂いており、
園長先生であるダンジョーさんを世界一尊敬している
株式会社 自然工房 縁の清水大介と申します。
ダンジョーさんとのご縁は、
僕の妻が少しだけではありましたが働かせて頂いたのがきっかけでした。
妻は生まれも育ちも大阪です。
僕が4年間過ごした京都で出会い、
結婚を機に広島に来てくれたのですが、
その時最初にお世話になったのがひだまり保育園さんでした。
もう15年ほど前になりますので、
当時どのように検索し
てひだまり保育園さんがヒットしたのか覚えていないそうですが、
ホームページを見て「ここで働きたい!」と思ったそうです。
そういったご縁から、
この10数年で何度も改装工事をさせて頂きましたが、
一番最初に工事をさせて頂いたのが大きいお家?お部屋?の床をやりかえる工事でした。
当初はたたみでしたが「畳が冷たくて寒い」とのことで、
僕が1番好きな木である杉のフローリングを貼りました。
杉は柔らかくて温かい。
真冬でも素足で生活できます。
脳の神経系統は3歳までに80%が出来上がると言われておりますが、
乳幼児期の脳の発達に重要なのは五感を刺激する事です。
そして五感を刺激するのにもってこいなのが
「裸足で生活する」ということです。
裸足で生活する事で、
杉のフローリングの節や木目が足裏を刺激し、
静電気も発生しにくくなります。
湿度まで調整してくれます。
柔らかいため子どもが転んで頭を打ってもタンコブが出来にくくなります。
「杉は柔らかくて傷が付きやすそう」と敬遠されることが多いですが、
それ以上に良いことがいっぱいあります。
子育てをする環境にこれほど適した木はありません。
杉サイコーなわけです。
この記事を読まれている方は
ダンジョーさんをよくご存知だと思いますが、
あのテンションで
「大介くん!杉のフローリングにしてからすごくあったかくなったのー!」
と大変喜んで頂けました。
ただそれも束の間…
子ども達が毎日雑巾がけをしていると言うではありませんか!
しかも、濡れ雑巾で!
それを聞いて
「杉のフローリングが傷むし、すぐに変色するので絶対にやめて下さい!」
とダンジョーさんにはお伝えしたのですが
「大介くん、フローリングは傷めばいつか貼り替えればいいけど、
この子たちは今なの。今が大事なの。
雑巾掛けは子ども達の足腰にすごくいいのよ。
だからやめない」
と言われました。
この時、この人すげーなと思いましたね。
普通はね、
フローリングが早く傷むのでやめて下さいと言われたらやめますよ。
誰だって長持ちさせたいですから。
でもダンジョーさんはやめてくれませんでした。
子ども達にはお金には変えられない経験を毎日させている。
10年以上毎日雑巾掛けをしている保育園て他にないんじゃないでしょうか?
(とダンジョーは笑っています)
皆さんもご存知の通り今では夏の柔らかい木目が凹んで、
冬の硬い年輪が浮かんでおります。
※youtube 「足の裏から育てる床」↓↓↓を、ぜひご覧ください(byダンジョ-)
冬の木目は鏡のように光って外の緑が写るほどで、
こんな味のあるフローリングは見たことがないのでちょっとびっくりしています。
このフローリングは宝物ですね。
僕の母(75歳)が子どもの頃は、
家の新築現場があると勝手に入って
(当時は怒られなかったらしい)
大工さんの仕事を見たり、
かんなくずを持って帰っては、友達とどっちが長いか比べたりしていたそうです。
子どもの身近に家づくりがあったんですよね。
でも今は中々そんな経験できない。
ちょっとでも大工仕事を経験してもらいたいと思い、
元々お風呂があった所をお部屋にさせて頂いた工事では
壁に杉の板を貼ったのですが、
子ども達に釘を打ってもらってもいいかダンジョーさんに聞いてみました。
「おそらく壁がボコボコになると思いますがどうですか?」と。
二つ返事でオッケーでしたね(笑)
僕も大工としてできればキレイに仕上げたい気持ちもあったし、
園側としてもキレイに仕上がるにこしたことはないでしょうが、
「それよりも子ども達に釘打ちの経験をさせてあげたい」
と言ってくれたダンジョーさんの言葉が嬉しかったです!
あ、当然壁はボコボコです(笑)
ただ、数年経った今でも壁をボコボコにした事を覚えている子がいるみたいで
すごくうれしかったですね!
そこで育った証ですからね。
工事とは関係なく
昨年度は年長さんを対象に子ども棟上げをさせて頂き、
今年度は廿日市の山に入り木の伐採現場を見に行ってもらいました。
家はどのようにして建てられているのか?
普段何気なく僕が使っている木はどこからやってくるのか?
どうやって切られているのか?を
見て、知ってもらいたかったからです。
木だけど、命を戴くということはどういうことなのか。
その山には樹齢70数年の30mほどあろうかという杉の大木が倒されていましたが
子ども達はスタスタ渡る。
それを見た木材屋の社長さんが
「わー!危ないよ!大丈夫?」と支える仕草を。
それを見たダンジョーさんは
「普段から山に入っているので全然大丈夫です」と一言。
昨今、危ないからと公園でも遊具が撤去される時代ですが、
危ないからダメなんじゃなくて、
危なくないようにどうやったらいいかを
自分達で経験してしっかり身につけているなぁと実感しました。
山や土(どろんこ遊び)などの
自然が遊び場のひだまり保育園。
そこにはダンジョーさんの考えがあって、
それを一緒に作り上げてきた保育士の方がいて、
そしてそれを理解して信頼して預けられている保護者の方がいて、
たくさんの愛情でひだまり保育園の子ども達は育っているなぁと
いつも工事で行くたびに思っています。
0歳〜6歳の人生で非常に大事な6年間を
ひだまり保育園で成長できる子ども達をうらやましく思います。
我が家にも3人の子どもがおり、
ひだまり保育園に預けたかったのですが、
片道1時間半ほどかかることもあり断念しました。
我が家は預けられませんでしたが、
たくさんの愛情で育っているひだまり保育園の子ども達に、
僕は大工としてできることをさせてもらって、
これからも陰ながらひだまり保育園を支える一員にさせてもらえたら嬉しく思います。
たくさんの愛で溢れているひだまり保育園を
僕は愛しています。
ほんとに。
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